本と寄り添いながら(41)

「世界を見る・考える」第37回 現在を直視し、過去から学ぼう(その24)

 

本の紹介とか書評ではなく、本を読みながらあれこれ思い感じたことを、気ままに記したエッセイです。(参考図書は、03/3月号までに40冊、03/7月号に76冊、04/1月号=67冊、04/7月号に10冊、04/9月号に12冊/掲載してありますので参考にしてください)

日本のこと(その5)

 政府は毎年40兆円もの国債を発行している。国債とは「借用証」だから毎年借金が増えているということだ。年間予算の半分も国債で補い始めて何年になるだろう。日本の国債は、アフリカの小国ボスニアと同じ格付けになっていると言うことは、それだけ評価が低く、日本国が危ないと言われているのと同じである。しかも今年度から過去に発行した多額の国債の償還が迫っている。いよいよ日本は危ないぞという声が巷に溢れている。そうした折に過去を振り返る余裕もないのだが、過去に学ばなければこれから先の希望も見い出せないだろう。先月予告しておいた、金融破綻した金融機関名をここに列挙してみよう。戦後52年間、銀行の破綻がなかった日本で、一挙に多くの銀行が破綻したのはなぜか。それについては別の機会に考えたいと思う。だが、破綻した金融機関名を見るだけで事の重大さを理解していただけると思う。バブル崩壊後大きな不良債権を抱えて銀行破綻の引き金となった「ノンバンク」とは生命保険、損保保険会社系の金融機関がそのほとんどで、それらを含めるともっと巨大な問題だと言うことが理解できるだろう。

北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、国民銀行、兵庫銀行、幸福銀行、

なみはや銀行(福徳銀行)、新潟中央銀行、中部銀行、石川銀行、 コスモ信用金庫、東京

協和・安全信組、木津信用組合、神奈川信用組合、大阪信用組合、三福信用組合、和歌山県

商工信用組合、東海信用組合、品川信用組合、田辺信用組合、大阪大和信用組合、三重県

信用組合、土岐信用組合、河内信用組合、北九州信用組合、共同信用組合、千歳信用組合、

豊信用組合、信用組合大阪弘容、足立綜合信用組合、紀北信用組合、日南信用金庫、湘南

信用組合、埼玉朝銀信用組合、新潟中央銀行、振興信用組合、玉野信用金庫、朝銀大阪信

用組合、信用組合高知商銀、総武信用組合、朝銀・宮城信用組合、朝銀・福井信用組合、朝

銀・愛知信用組合、朝銀・島根信用組合、朝銀・山口信用組合、朝銀・福岡信用組合、静岡商

銀信用組合、北兵庫信用組合、長崎第一信用組合、東京都教育信用組合、小川信用金庫、

信用組合三重商銀、京都信用組合、新潟商銀信用組合、信用組合山口商銀、東京商銀信用

組合、信用組合福岡商銀、信用組合関西興銀、朝銀・近畿信用組合、朝銀・大阪信用組合、

小樽商工信用組合、旭川信用組合、岡山市民信用組合、富山市民信用組合、朝銀・関東信用

組合、朝銀・東京信用組合、朝銀・千葉信用組合、朝銀・長野信用組合、朝銀・新潟信用組合、

朝銀・近畿信用組合、三栄信用組合、不動信用組合、石岡信用金庫、茨城商銀信用組合、信

用組合大阪商銀、京都みやこ信用組合、信用組合京都商銀、都民信用組合、東京中央信用

組合、岡山県信用組合、永代信用組合、網走信用組合、大阪第一信用金庫、東京信用組合、

和歌山商工信用組合、長島信用金庫、だいしん信用組合、朝銀・廣島信用組合、相互信用金庫。

ここまで調べて書くだけでくたびれるほど破綻銀行が多いのに驚く。まだこの他にも破綻した銀行があると思われるが、どうか各自で調べていただきたい。「朝銀」や「商銀」が地域ごとに多く出てくるが、それぞれ独立した法人である。「朝銀」は北朝鮮系の銀行であり、「商銀」は韓国系の銀行である。どちらも不動産に巨額の貸付を行い、闇の世界とつながってあくどい地上げを行ったことは誰もが知っている事実である。

 銀行と闇の世界との癒着についてもう少しだけ書いておこう。総会屋小池隆一の名前を覚えている人が多いだろう。彼は野村證券の利益供応問題で新聞などにクローズアップされた。彼は大和、日興、山一と言う日本を代表する証券会社の株をそれぞれ30万株も所有し、総会屋としてこれらの会社で暗躍した。このような膨大な資金がどうして彼の手元にあったのだろうか。答えは明快である。なんと第一勧銀が彼に対して117億円もの融資をしていたのである。このことに端を発して第一勧銀問題が持ち上がる。そして逮捕者45名、辞任したもの83名、処分を受けたもの214名となった。ついには宮崎会長が自殺したのだが宮崎は会長職ではあったが実は動かされていただけの存在に過ぎなかった。 小池に対する利益供与事件だけでも第一勧銀から11名、野村證券から3名、大和證券から6名、日興證券から4名、山一證券から8名、道路公団から1名、大蔵省から4名が起訴され猶予付きだが実刑判決が出ている。

 小池以外で読者の記憶にあるとすればイトマン事件の許永中だろうか。許はイトマン事件の他に広域暴力団住吉系とつながりがあり、同和にもつながりを持っていた。許の人脈を挙げると面白い構図が見える。南野洋・大阪府民信用組合理事長、大田清蔵・東邦生命元社長、内田和隆・近畿放送元社長、伊藤寿永光・イトマン元常務、河村良彦・イトマン元社長、磯田一郎・住友銀行元会長、亀井静香・自民党政調会長、竹下登・元内閣総理大臣、中尾栄一・元運油相、池田保次コスモポリタン会長、岡本醇蔵アーデン・ホーム元会長、(すべて当時)など、錚々たる人脈である。許は2千億円の詐欺事件の被告でもあった。関西空港問題などで浮上する泉井純一という名も記憶している人がいるだろう。石油ブローカーだった彼とは自民党の山崎拓や加藤紘一、小泉純一郎、森喜朗、三塚博、額賀福志郎まで当時名前が出ていたものである。この件で逮捕されたのは運輸省の服部事務次官だった。この他、大蔵省主計局涌井官房長が泉井から絵画などを貰っていたことも明らかになっている。こうして名前を掲げると思い出す人もあるに違いない。

 不良債権とは、貸した金が返って来ないということだが、どうして貸した金が返ってこないのか。闇の世界の連中と銀行が凭れ合って不動産投資を繰り返したために、バブル崩壊後、資金回収が出来ないのが実情である。銀行は初めからドロボーに金を貸したようなものである。バブル崩壊後銀行側が回収をしようとした矢先に住友銀行東京本店前に糞尿が撒かれるという事件が起きた。そして住友銀行の名古屋支店長が殺されるという事件も起きた。大手銀行は闇の世界に貸した金を取り立てることすら出来ないのだ。

 ここで、バブル当時からの荒れた世相を見てみたいと思う。

 1975年=ロッキード事件1979年=ダグラス・グラマン事件(松野頼三が逮捕された)1980年=KDD事件1986年=撚糸工連事件(自民党の稲村佐近四郎が逮捕された)1987年=平和相互銀行事件(平和相銀の乱脈経理竹下登の金屏風事件が明るみに出た)1988年=砂利船汚職事件、リクルート事件(政界を揺さぶった大事件)1991年=東京佐川急便事件(暴力団稲川会の石井進会長も絡む大事件で、100名以上の国会議員が関係した)イトマン事件1992年=金丸信脱税事件(言わずと知れた本尊金丸自信の犯罪)ゼネコン事件(宮城県知事、茨城県知事らが逮捕された)。1994年=埼玉土曜会事件(中村喜四郎元建設大臣が斡旋収賄で逮捕された)1995年=2信用組合乱脈融資事件(元労働大臣山口敏夫が逮捕された)。1996年=泉井献金事件。厚生省汚職事件(特養ホームへの不正補助で厚生省事務次官・岡光序治が逮捕された)総会屋への利益供与事件1998年=日銀収賄事件(日本銀行営業局証券化等を逮捕、松下総裁が辞任)2001年=KDD事件(参院議員小山孝雄が逮捕、元労相の村上も逮捕、額賀経済担当相が辞任)2002年以=(小泉内閣)この年から鈴木宗男の収賄事件を初めとして多くの国会議員の逮捕が相次いでいて、国会議員の質の低下を感じている。

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(2005年5月号追加)63冊
バブル景気から平成不況へ   読売新聞社 秋岡伸彦著
外資系企業の系列と勢力地図 日本実業出版社 小島郁夫著
日本のゆくえアジアのゆくえ   日本実業出版社 広瀬隆著

(以上・日本実業出版社)
国家破綻最終章   あ・うん 藤原直哉著
不良債権はなぜ消えない 日経BP 渡辺 孝著
パチンコ産業30兆円の闇   全貌社 坂口義弘著
国家破綻以後の世界 光文社 藤井巌喜著
泥棒国家の完成   光文社 ベンジャミン・ミルフォード著
企業再生ファンド   光文社 和田勉著
買収ファンド   光文社 和田勉著
富の独裁者   光文社 エイミー・チュア著
(以上・光文社)
日本マスコミ「臆病」の構造   宝島社 ベンジャミン・ミルフォード著
証券業界腐敗の構造 KKベストセラーズ 浅井隆著
謎解き平成大不況   PHP リチャード・A/ヴェルナー著
       
反日の構造   PHP 西村幸祐著
アングロサクソンは人間を不幸にする   PHP ビル・トッテン著
(以上・PHP)
ビジネスとしての不良債権   アーク出版 不良債権ビジネス研究会
ハゲタカ投資家   日本経済新聞社 ヒラリー・ローゼンバーグ著
中国の嘘   扶桑社 何清漣著
ジレンマの中の中国   東洋経済新報社 渡辺利夫著
それでも日本経済は変わらない   日本評論社 エドワード・リンカーン著
騙してもまだまだ騙せる日本人   知恵の森文庫 邱永漢著
日本人には永遠に中国人を理解できない   講談社 孔健著
無法経済の主役たち   講談社 有森隆著
闇の支配者腐った権力者   講談社 共同通信社会部
銀行連鎖倒産   講談社 水木 楊著
日本アングラマネー全貌   講談社 門倉貴史著
日本の地下経済   講談社 門倉貴史著
      (以上・講談社)
日本人と中国人   集英社 陳舜臣著
特捜検察の闇   文春文庫 魚住昭著
拒否できない日本   文春新書 関岡英之著
地下経済   青春出版社 宮崎学著
地上げ屋   幻冬舎 宮崎学著
なぜ日本は没落するか   岩波書店 森嶋通夫著
「反日・親北」勧告の暴走   小学館 呉 善花著
勧告と歴史は共有できない   小学館 勝岡寛次著
「反日韓国に未来はない」   小学館 呉 善花著
なぜ抑制が効かないのか   小学館 鄭 大均著
日本人と中国人―なぜあの国とまともに付き合えないのか   祥伝社 イザヤ・ベンダン著
巨大化する中国経済と日系ハイブリッド工場   日本多国籍企業研究 上山 邦雄著
日本が嫌いな日本人へ   PHP 呉 善花著
見てきた昇竜中国・エネルギー・環境事情     くらしのリサーチセンター
中国のいま、3年後、5年後、10年後   並木書房 宮崎正弘著著
中国ODA6兆円の闇誰のための、何のための「援助」なのか!?   宝島社 青木 直人著
中国利権の真相―“赤い貴族に群がった日本の政・官・財・メディア   宝島社 青木 直人著
罠に嵌った日本史日本は再び米中二大覇権国家の餌食になるのか!?   日本文藝社 文雄著
たかられる大国・日本中国とアメリカ、その驚くべき寄生の手口"   祥伝社 浜田 和幸著
外国の教科書に載ったニッポン   ごま書房 小中陽太郎
世界の教科書は日本をどう教えているか   朝日新聞社 別技篤彦
機会不平等   文藝春秋 斎藤貴男
中国はなぜ「反日」になったか 文藝春秋 清水美和著
靖国問題   筑摩書房 高橋哲哉著
中国人民に告ぐ! 「文化大国」が聞いてあきれる−痛憤の母国批判   祥伝社 金文学著 祥伝社
数字で読む・中国 2005     日本貿易振興機構 世界経済情報サ−ビス
東アジア戦略概観 2005   国立印刷局 防衛研究所
封印される不平等   東洋経済社 橘木俊詔著
国家の罠   新潮社 佐藤 優著
血と油 アメリカの石油獲得戦争   日本放送出版協会 マイケル・T.クレア著
民営化される戦争 21世紀の民族紛争と企業   ナカニシヤ出版 本山美彦著
アメリカ帝国の悲劇   文藝春秋 チャルマ−ズ・ジョンソン著
パリマルメゾンの森から   かまくら春秋社 近藤誠一著
不平等社会日本 さよなら総中流   中央公論新社 佐藤俊樹著
階級社会 グロ−バリズムと不平等   青土社 ジェレミ−・シ−ブルック著